気力と体力


  どこまで続くか分からないけど、ふと「気づいた時に短い文章を書いて”下書き保存”しとけばいいんじ
 ゃね?」と思いついたので、少しずつ書き溜める方法を試してみることにする。(脚本家の足立 紳さん
 のコラムをお手本にさせていただいた)
  今年初めてBlogを更新した際に『いくら何でも1年振りってのは無いよなぁ…』と少々反省したから
 だ。
  しかし反省したからといって小マメにBlogの更新など簡単に出来るモンではない。
  <忘れられた頃に更新する>というのもBlogの醍醐味だと思うことにする。



 1月11日 月曜日
  緊急事態宣言の真っ只中だけど成人の日だ。
  殆どの自治体で式典が取りやめになってるが、それでも強硬に実施しているところもあるらしい。
  「感染が拡がったらどうするんだ?家族に高齢者のいる新成人もいるだろう。クラスターが起きて誰か
 亡くなったら誰が責任取るんだ?」という意見もSNS上にあった。
  そうだ!そうだ!と思いつつ、でももし自分が老人で、孫が新成人で、何年も前から振袖や着物を買っ
 てやってたのに式典が取りやめになったらどんな気持ちになるだろう?とふと思った。
  「おぅ、ワシら重症化する可能性がめっちゃ高いけぇ、無くなって良かったよ」と言うか?絶対に言わ
 ない。
  「残念じゃのぅ。式典が無いなら家でお母さんに着付けして貰うて家族で写真撮ろうや。それでエエじ
 ゃないか」って言うか?絶対にそんなクソみたいな慰めは言わないだろうな。
  「成人式ぐらいやっちゃれぇや!一生に1回じゃないか。出席した人間に誓約書を書かすとか、何かや
 り方は無いんか?自分らの時は成人式に出て大騒ぎしたくせに」ぐらいの悪態は最低でも吐くと思う。

  自分の成人式の時を振り返ってみた。
  朝まで仕事して、家に帰ってシャワー浴びて、ド派手なシャツ、足の甲が引っかかるくらい裾の絞られ
 た別珍スーツ、貝塚の地層ぐらい革を重ねまくったスウェードの靴・・・など上から下までFicceでバチバ
 チにキメて、”写真を撮るから1回帰って来い”と何度もお袋が電話してきてたので「うっさいのぅ…」と言
 いつつ実家に寄ってから同じ職場で働いてたツレに迎えに来て貰って式典の会場へ。
  駐車場に車を停めて「一服してから行くか」と煙草に火をつけたところまでは記憶にあるのだけど、そ
 のまま寝落ちw。目が覚めたら式典の片付けをしてるとこだった。

  そんな訳で、オレ自身も成人式の式典には参加したことがない。
  でも、DCブランドのロゴがデカデカと入ったガーメントバッグからピカピカのスーツを出し、袖を通
 し、意気揚々と会場に向かった思い出があるからこうして思い出せる。
  「感染が拡がるからずっと自宅で大人しくしてろ。家族とであってもメシも外に食いに行くな」だと切
 ない思い出しか残らないんじゃないか?それはちょっとあんまりじゃないか?成人式を祝ってないのにこ
 れから納税だけはキッチリさせるのか?「そうだ!式典を取りやめた代わりに、新成人は2年間の納税義
 務ナシ!とかいいんじゃないの?」などとウダウダ考えながらステイ・アット・ホームで筋トレしてた
 ら、体のアチコチが痛くなってきた。
  明日はきっと筋肉痛だ。。。


 1月13日 水曜日
  年末年始の、気持ちと時間に余裕があるうちに、作業環境をちょこちょこイジったり、機材のメンテナ
 ンスをしたりしている。
  いつもお願いしているエンジニアの森元さんに紹介して貰って、カレントさんのPOWERDAMという電
 源供給速度と密度をブーストする製品を導入したのだけど、その威力に惚れ込んでしまい、今ではあちこ
 ちでPOWERDAM教の布教活動までしたりしているw。
  <解像度が上がる>とかいう単純なものではなく、音像もハッキリするし耳の焦点も変わるので、ずっ
 と聴いていても疲れにくい。
  電源ケーブルはアコリバの別注品なのだが「POWERDAMとケーブルだけでココまで音が変わる!?」
 と驚くぐらい変わった。
  世界的にソフトウェアはどんどん進化しているけど、まさかハードウェア、それも電源ってとこでこれ
 ほどの革命が起きるとは・・・やっぱ日本人の目のつけどころと技術力はスゲェな、ハンパないな、と思
 う。

  POWERDAMだけでなく、幾つか新しい機材を導入して音環境がアップしたので、新しい環境に慣れよ
 うとしてるところだけど、あれもこれも欲しくなって沼にハマらないうちにサッサと作業を始めないとダ
 メだな(笑)。


  1月17日 日曜日
   阪神・淡路大震災から26年が経った。
   今でもこの日が近づくと、スーパーカブの後ろに乗って山道を登る途中に見えた真っ黒い煙や、ワンフ
  ロアが映画のセットのように潰れたデパート、そしてこの世の終わりみたいにグニャリと曲がった高架の
  脚部がハッキリとカラーで蘇ってくる。
   震災後に初めて水が出た時に、地元の人と抱き合って泣いたことや元町で最後まで傾いたままだったビ
  ルが解体される時のことなども鮮明に蘇ってくる。
   震災から十数時間後に神戸入りしたオレですらこんなだから、ご家族やご友人など大切な人を亡くされ
  た方にとってこの日に蘇る悲しみは計り知れない。

   今年も例年同様に朝まで起きていて、そして黙祷し、それからベッドに入った。
   夜通し起きておくということが年々ツラくなってきてるのだけど、出来るとこまでやってみようと思
  う。
   その前に早く目が覚めるようになるのが先かもしれないけどw。


  1月18日 月曜日
   昨年あたりから急に体力の衰えが気になり始めたので、病院に行って相談してみることにした。
   今でも週3回の筋トレと毎朝25分のストレッチは欠かしてないのだが、なかなか2テツ(徹夜2日目)とか
  になると体力が厳しくなってきたし、ボクシングや筋トレをしても以前のように筋肉がパンプしにくく
  なってきたような気もして、そういうの全てをひっくるめて ”廊下” ・・・いや間違った『老化』と言う
  のだろうけど、それに慣れてしまうよりは抗ってやろう!と決めた。

   劇伴のスタジオ作業も、こうしてやり続けてみると感じるのだが、やっぱり気力と体力勝負だと思
  う。
   曲数も少なくないので、1日に入れ替わり立ち代わり色んな演奏家の方がスタジオ・インされる。
   「この話、今日はもう4回ぐらいしてるな…」と思うくらい何度も同じ説明をしなければならないこと
  もあって、でも同じ熱量で伝えなければ大変なことになるので、一生懸命に説明している。(だんだん
  話が大きくなることもあるw)
   何かにつけて便利な世の中なので、「動画を撮ってソレを観て貰ってから録り始めてもいいんじゃな
  い?」とか思ったりもするけど、その動画を撮ることやソレをまた編集したり観せる環境にすることの
  方が数倍メンドくさくなるような気もして、干からびたオウムのように同じセリフを1日に何度も喋っ
  ている。
   (ソレを側で見ているエンジニアは「こいつ、同じことばっかり何回も喋ってんなぁ」ときっと思っ
  ているはず)

   演奏家の方には申し訳ないが、正直そんな何回も同じことを喋っていると疲れてくる(笑)。
   昔はそんなこと思ったことも感じたことも無かったので、「ヤバいな、オレ体力も気力も落ちてる
  わ」と思い、そんな自分にまた疲れる。
   そんな「スタジオあるある」(無いわっ)な繰り返しを経て、ついに専門家に相談してみようと思
  ったのだ。

   ・・・待合で1時間も待たされた。
   自分以外に40人くらい待ってる人がいたが、全員が高齢者。
   話してる内容もよく分からない(笑)。
   そんな中に1時間もいると、「オレ、こんな時間にこんなトコで何やってんだろう?」と、己の体
  の衰えそっちのけで反省し始めるから不思議だ。

   ようやく診察室に通され、診察や血液検査が終わり、お会計を済ませて車に乗った瞬間に出た言葉
  が「うぅ・・疲れた…」だった。
   やっぱ気力も体力も衰えてる(苦笑)。

ジムに行くのも億劫な性格なので、自宅でトレーニングやってます(笑)。


自分の土俵

 コロナ禍で社会全体が深刻な状況が続いていますが、2021年明けましておめでとうございます。

 もうすっかり松の内も明けてしまい、寒さもかなり厳しくなっていますが、今年もどうか宜しくお願いいたします。(Blogを書くのが1年ぶりなことにめっちゃ驚いてます:汗)


 新手のウイルスが海の向こうから伝染してきて、1年近くが経とうとしていますが、そんな状況の中で昨年は春先から年末ギリギリまで色々な作品に関わらせていただきました。
 2020年が明けた頃はかなりゆっくりなスケジュールだったのが、土の下から土筆や蕗の薹が顔を覗かせる時期くらいから幾つもお仕事の連絡をいただき、夏が終わる頃には「こりゃスタミナ勝負じゃのぅ…」と思いつつ自分のスタミナの無さに自己嫌悪になったりもしました(苦笑)。


 今年も、例年と同じく、まだ全然ゆっくりなスケジュールですが、まずは健康管理をしっかりとして、長丁場を程よい緊張感を持って仕事を進めていける『心と体づくり』をしつつ、作業環境もより良くなる様に整えていきたいと思っています。


 今年引いたおみくじにデカデカと書いてあった言葉が、”先人の土俵より自分の土俵で戦うこと”。
 この意味をしっかりと考えながら、また今年1年、一人でも多くの方に喜んで貰える作品が作っていける様、しっかりと精進します。