登竜門

初めて降りる岩国錦帯橋空港の風景は新鮮だった。

知り合いから「いつも広島空港を使ってるの?不便でしょ?遠いし。岩国空港は便利だよ」と言われてたのをふと思い出して、航空券の予約をする際に[岩国]を選択した。

飛行機は少し小さめだったが、新しくて快適。
最近よく新しい機体に当たるのだが、以前のものに比べて、座り心地も良いし、よく眠れるような気がする。
1年ほど前に3台ほどまとめて購入したBOSEのノイズキャンセラー機能のついたヘッドフォンをすれば、ジェットの「ゴォ〜」という音も、泣いてる赤ちゃんの声も全く気にならない・・・というか、気にする前に眠ってしまっているのだが(笑)。。。

 

で、いよいよ念願の(?) 岩国空港に降り立った。
時刻は午後6時30分、ちょうどクライマックス・シリーズ第3戦が開催されていて、黒田投手が投げ始めてる頃だろう。
空港には赤いユニフォームを着た方々も結構いらっしゃった。

そんな方々や、スーツに身を包んだサラリーマンの方々と一緒に駅までバスで移動。
・・・で、ちょっと驚く。
シャトルバスのような専用バスを想像してたのだが、ごく普通の路線バス。
しかし、お陰で久しぶりに見る岩国の街の様相が少し楽しめたような気がする。

そして JR岩国駅から山陽本線に乗り換え。
ホームにある喫煙スペースに喜び、そしてホームに入ってきた車輌を見て驚く。
「え?昔のグリーンとオレンジの電車じゃないじゃん!?」

なかなか新しい、スタイリッシュな車輌でゴトンゴトンと広島へ。
なんかこういうのも悪くないなぁ〜と感じていたのだが、都内からの移動時間が3時間近くになると、さすがに飽きてきた(苦笑)。
真っ暗で、外の風景を見れないからというのもあるだろうけど、大きなスーツケースを持って移動するには、ちょっと厳しいのかなと。

 

 

さて、今回の広島は、<クライマックス・シリーズ第4戦を観戦する>ということのほかに、もう一つ重大なミッションがあった。

実は、とあるご縁から、橘右之吉さんの書かれた書をいただくことになって。

橘右之吉さんと言えば、『笑点』の文字を書かれた橘右近さんのお弟子さんで、今や江戸文字の第一人者。坂東三津五郎さん襲名のときの文字や、中村勘三郎さんの文字などを書かれてきた方。

そんな右之吉師匠が昨年 広島で催事をやられた際にカープの優勝を祈念して書かれた作品を、一介のカープファンであるオレがいただくことになった。
[鯉昇]と書かれた書は、書に全然詳しくないオレが見ても素晴らしいモノだということが分かる。
一つ一つの線やハネの具合に、なにかグッと引き込まれてしまうのだ。
印刷や版木に彫られたものではなく、直筆だからこその勢いや緻密さも感じられる。

そんな”この世に一つしかないマスターピース”を頂くのは光栄なことなのだけど、この作品をウチに飾ってても・・・という思いばかりが頭をグルグルと巡り、「いや、これはウチに置くべきモンじゃないぞ」と。

で、自分なりに考え抜いた結果、広島東洋カープ球団に受け取っていただくことにした。
もちろん、右之吉師匠にも伝えていただいたところ、『へ〜、いろんなことがあるもんだね。やっぱりいろんなの書かなきゃだめなんだよね。ご縁はありがたい。』と非常にお喜びになったそうだ。

 

クライマックス・シリーズ・ファイナル第4戦の試合が始まる2時間ほど前、
球団事務所で球団取締役に手渡ししてきたのだけど、取締役も見た瞬間に無言になられてね。
そして一言、『セキュリティのしっかりしたところで、沢山の人に見て貰える場所に飾らせてもらいますよ』と。

その瞬間、ようやくホッとして身体のチカラが抜けたのでした。
値段の付けられない作品を運ぶだけで、なんか画商の方々のご苦労も ちょっとだけ理解できた気がしたのです(もう懲り懲りです)。

 

その後に観戦した試合で、カープは日本シリーズ出場を決めてくれたのでした。

 

unokichi_sho

 

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